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=1st.DAISY/Plextalk Partner Meeting= “来て、観て、触って語ろうDAISY/Plextalkの未来in上田” 【第1回 デイジー/プレクストーク パートナー ミーティング】 開催レポート
2006年11月24日
全国から約60人が集まり、発表や意見交換
視覚障害者の録音図書制作や貸し出しサービスなどに、それぞれの立場でかかわる皆さんが集まり、共にDAISY / Plextalkの未来を語りあう「第1回 デイジー/プレクストーク パートナー ミーティング」を、DAISY発祥の地である上田で開催しました。
会場は、プレクストークを開発するシステム機器事業部のあるシナノケンシ上田事業所。開催当日の11月22日、全国から集まった参加者は約60人。長野県内の各地はもちろん、関東エリア、静岡、京都などから、多くの音訳・図書制作ボランティアの皆さんをはじめ、点字図書館、公立図書館、民間事業者などサービス提供者も参加され、具体的な実態や課題など内容の濃い発表と、活発な意見交換が交わされました。
今年は初めての開催ですが、来年以降もこの「デイジー/プレクストーク パートナー ミーティング」を毎年続けていく予定です。広くDAISYを活用して、視覚障害者の生活環境を向上させていくために、情報交換や意見交換ができる場として、広く全国の皆様にご参加いただけるように、今後も情報発信をして参ります。
内容ダイジェスト
(興味のあるコーナー・セッションをクリックしてください)
- □ フリーセッション <体験コーナー> (10:00~12:00)
- □ コアセッション <コアスピーチ> (12:50~14:50)
- □ 情報・意見交換会 <参加者スピーチ・意見交換> (15:00~16:30)
- □ 未来セッション <菅平のロッジにて> (宿泊のご希望者とともに)
※「デイジー/プレクストーク パートナー ミーティング」に関するお問合せ先はこちら
フリーセッション <体験コーナー> (10:00~12:00)
来年発売予定の現在開発中の新製品のほか、プレクストーク再生機や図書製作ソフトを、実際に触ったり試聴したりできるようにしたコーナーです。当社の営業・技術スタッフがご説明しながら、皆さんから多くの有益なご意見をいただくことができました。
[1] かんたんデジタル録音機(開発中/2007年6月頃発売予定)
カセットデッキの替わり。操作はカセットデッキと同じで簡単、中身はデジタル録音機。コンパクトで、PTR2と同じくらいの大きさで、持ち運べる。
[2] かんたんCD読書機(かんたんカバー付き)(2007年1月頃発売予定)
最低限必要な操作キーだけを残して、かんたんカバーをつけると、カセットプレーヤーと同じかんたん操作。慣れたら、カバーを外せば、PTN1に変身します。
[3] インターネット対応読書機(2007年後半以降、実証実験結果による)
現在、実証実験中のインターネット配信対応のデジタル録音図書読書機。365日24時間、自宅が図書館になります。プライバシー保護にも。生活情報や地域情報もスピード入手ができるよう、今後も実証実験を進めていきます。
[4] パソコンを使わない「CDコピー機」(2007年2月頃発売予定)
小型、簡単操作。同時に3枚のコピーが可能です。CDを入れるだけでスタート、3~5分で完了します。(フル書き込みの場合で最大7分)
[5] DAISY図書制作ソフト「PRS Pro」
[6] DAISY再生専用機「PTN1」
[7] DAISYポータブルレコーダー「PTR2」
[8] DAISY図書体験コーナー
入試問題集や料理本など実用書を中心に、たくさんのDAISY図書を試聴できるコーナーを作りました。また、識字障害の方にもたいへん有効なマルチメディアDAISY図書も体験できるようにしました。左ページに写真や絵、右ページに文章。読み上げをしている部分にマーカーがついて、音で聴きながら眼で追えるようになっています。
コアセッション <コアスピーチ> (12:50~14:50)
歓迎あいさつ シナノケンシ 代表取締役会長 金子 八郎(デイジー コンソーシアム 生涯名誉フレンド)
主催あいさつ 同 システム機器事業部 取締役事業部長 池田 義和
[1]「グローバル状況と新技術・新製品」
シナノケンシ 第3開発営業部 部長 清水 正人 主任技師 西澤 達夫
DAISYの海外の最新の動きやシナノケンシの課題、さらに技術動向としてDAISY3.0規格や米国での教育図書の動きを説明しました。図書利用の多様化を背景に、ネットワーク配信の可能性と実証実験についても触れました。
[2]「DAISYへの課題」
日本図書館協会 障害者サービス委員長 佐藤 聖一 様
「すべての人の図書利用を保証する」という障害者サービスの理念に立って、日本図書館協会とDAISY、公共図書館と点字図書館、DAISY機能をより活用できる資料、DAISYと雑誌、利用者によいDAISY図書を作るための課題などのテーマについて、録音図書制作についての提言やわかりやすい説明がありました。日本の法的な整備の現状のお話から、音訳技術についての説明、これから話し合いを深めていくための課題を、いろいろな切り口でスピーチしていただくことができました。
情報・意見交換会 <参加者スピーチ・意見交換> (15:00~16:30)
各団体を代表される12人の皆様から、具体的な活動内容や課題、これからの計画や期待することなどを、スピーチしていただきました。
■スピーチ①・・・上田市視覚障害者福祉協会 中山 吉泰 様
■スピーチ②・・・アイボランティアネットワーク静岡 増本 旭 様
■スピーチ③・・・京都朗読奉仕会 ロバの会 山田 新作 様
■スピーチ④・・・DAISY TOKYO 森田 聰子 様
■スピーチ⑤・・・DAISY横浜 河井 睦子 様
■スピーチ⑥・・・DAISY所沢 竹村 冨美子 様
■スピーチ⑦・・・DAISY上田 原山 幸子 様
■スピーチ⑧・・・コープ長野 石田 徳子 様
■スピーチ⑨・・・りらの会 長岡 か津子 様
■スピーチ⑩・・・埼玉県朗読ボランティアネットワーク 斎藤 純子 様
■スピーチ⑪・・・全国音訳ボランティアネットワーク準備会 藤田 晶子 様
■スピーチ⑫・・・音訳指導者 恵美 三紀子 様
まとめと御礼、あいさつ シナノケンシ 常務取締役 池田 防守
●視覚障害者の生活向上のために、DAISYを活用して、「地域・生活情報」をすばやく提供できる体制が望まれています。図書以外にも、個人や地域で多様化するニーズに応える情報サービスが課題です。スピードある情報発信というテーマは、参加者の方からも提言をいただきました。
●識字障害(LD)の方にとっても、マルチメディアDAISYを利用した図書がまだまだ不足している現状があります。参加者の皆さんに配付させていただいた、ご自身も識字障害である岐阜市立岐阜養護学校教諭の神山(こうやま)忠先生の書かれた「私の場合」-独自の読字-は、識字障害を理解する上で大切な資料となりました。
未来セッション <菅平のロッジにて> (宿泊のご希望者とともに)
菅平高原のロッジに泊まり、音訳・図書制作にかかわる各ボランティアグループが、自由に歓談しながらおおいに未来に向かって話し合う場となりました。ボランティアにこだわらず、視覚障害者の利用者や、広く支援・サービスにかかわる人たち同士の「ネットワーク」の大切さをお互いに確認しながら、熱のこもった意見交換ができました。また、開発メーカーとしてのシナノケンシへの期待やご意見もお聞きできました。
お問合せについて
「デイジー/プレクストーク パートナー ミーティング」の内容や今後の予定などについて、詳細のお問い合わせは、下記までお願い申し上げます。
【ご連絡先 事務局】
シナノケンシ第3開発営業部 西澤 達夫